京都広しといえども猫による猫のためのお寺はここだけであろう。
大変由緒正しき日本人であれば一度は聞いたことあるであろう超名門、延暦寺。
その延暦寺がおわします比叡山の足元にちょこんと猫のように建っているのが猫猫寺である。
『ねこねこでら』ではない『にゃんにゃんじ』と読むらしい。
猫好きの人なら一度は聞いたことがあるはず、、、なんてことはなく、知る人ぞ知るスポットである。
現に猫好きの私も知らなかった。猫狂いのわが嫁はその名前を聞いたとき顔をしかめ大変に怪しんだ。
ただちょっと待っていただきたい。
確かに実在はしている。
ネタではない、ネタ寄りのお寺ではある。
しかし、猫は寿司ネタが好きであるから、結局ネタであって正しい。
猫猫寺の楽しみ方
猫猫寺は猫カフェのようなものではない。
がっつりとしたお寺でもない。
由緒あるかどうかはわからない。
あるかもしれないが、この緩い感じの名前のお寺においてそれは重要ではない。
しいて言うのであれば、猫アートを楽しむ猫好きのためのお寺である。
京都の奥にある京都上級者であれば一度は訪れたことのある京都は大原。
そこに続くバス通りを歩いているとちょこんと手書きで、爽やかな青の看板がお出迎えしてくれる。
背筋をただし厳かな気分で行うべき京都観光に一抹の癒しを与えてくれる。
手作り感満載の看板が斜めについていることも含めてポイントが高い。
ここではまっすぐな背筋を猫背にしても許されるのである。
むしろ猫背で訪れるのが作法というものであろう。
満員の大原行きのバスを誰も下りないバス停で途中下車し、徒歩1分と大変アクセスもよろしい。
外観は普通の古民家のようであるが、窓から猫アートが見え隠れしている。
そして見よ!これが猫猫寺のご神体である。
そうだ、猫に祈ろう。
招喜猫宗(まねきねこしゅう)の総本山らしい。
実に洒落が聞いている。
猫たちが手をあわせ、にゃむにゃむと拝んでいる姿はとても愛らしい。
目をつむり耳をすませばにゃむにゃむ声が聞こえてくるようではないか。
入口の普通の古民家の引き戸をくぐると、手作りの猫グッズが溢れている。
ただし、中に入るには入館料が必要となる。
世知辛いが、京都の神社・仏閣には屋内に入るのに入場料をとるところは少なくないため、致し方なしと気前よく払う。
1名ワンコイン500円であった。
通常のお寺と同じようにパンフレットや入館券をもらい、さらにオリジナルポストカードもついてくる。
ポストカードはここでしか手に入らないレア物である。
どんなものがもらえるかは乗せることができないが、ちゃんと猫猫寺に訪れた証としては非常にうれしいものであった。
うむ、実に良心的!
さらに、ポストカードサイズの紙を渡される。
「この紙に書いてるクイズに答えて景品をげっとしよう!答えは館内にある!」
なるほど、粋な計らいである。
このようなゆるゆる寺ならば、クイズもきっと簡単なものであろう。
サクッと解いて、景品をいただいちまうべきである。
そう思っていたが、実際はかなりの難易度であった。
猫の手も借りたいと思えるほどではなかったが、ヒントなしでは解答不可能である。
結構、意地になって答えを探し回ってしまった。
しかしながら、安心していただきたい。
ちゃんとヒントも用意されているため、それなりに正解できるのではないだろうか。
結局、クイズやアートなどをしっかり楽しみ30分弱をこの寺で過ごすことができたのである。
猫に会えるかは分からない
猫猫寺を隈なく探した私であったが、猫には出会えなかった。
ただ、以前行った方の経験談を調べると猫に会えた方もいらっしゃったようだ。
ホームページで見てみても、猫住職や猫住職見習いと呼ばれる方々がいらっしゃるらしく運が良ければ出会えるのではないか。
私が行ったのは10月後半の水曜日の午前中ということで、少し肌寒さを感じる季節であった。
きっと猫住職様たちも毛の生え変わり時期でもあり、ぬくぬくすることに忙しかったに違いない。
そう思えると、猫に会えるかどうかは猫次第ということで実に猫猫寺らしいと諦めることができた。
皆様に訪れる機会があるのなら、にゃむにゃむと唱える猫住職がいることを祈っている。
おすすめのコース
猫猫寺に行くのであれば、そこだけを目指していくことなかれ。
京都の中でも少し遠方にあり、初めて京都に行って猫猫寺だけ見て帰ったというのであれば恐らくその人の京都への印象は独特かつ奇怪なものとなろう。
ただ、安心して欲しい。
周辺には一見の価値のある寺院が多く、かつ有名なラーメンスポットも用意してある。
奇異奇天烈な京都を目指したいということであれば、狸を祀った神社も近くにあるため色物旅行者にも満足いただけること請け合いだろう。
以下におすすめコースとして3パターン用意した。
大いに参考にしてくれたまえ。
以下、パターンにある瑠璃光院は拝観期間、予約が必要なパターンがあります。よくご確認の上、計画してください。
①昼から半日パターン
12時から京都駅で昼食を取ってから、河原町で夕食を取るコース
京都駅(昼食)→京都バス(17 大原行き・50分前後・神子ヶ渕下車)→猫猫寺(30分)→徒歩(10分)→瑠璃光院(60分※入園料2000円←払ってでも一度は行くべき)→ルイ・イカール美術館(30分瑠璃光院入ったら無料で見ることができる)→叡山電車(①40分前後・出町柳駅乗り換えあり・祇園四条駅下車※京都駅に帰るのであれば瑠璃光院近くのバスで直接京都駅まで)→河原町周辺にて夕飯・お土産買い物へ
②1日堪能パターン
1.大原コース(王道パターン)
京都大原三千院を午前中散策。13時まで→バスで神子ヶ渕まで→猫猫寺/以降、①と同じ
2.修学院パターン(めちゃ歩く)
瑠璃光院(10時着)→ルイイカール美術館→徒歩10分→猫猫寺→バス(神子ヶ渕〜修学院駅前)→極鶏(ラーメン屋・めちゃ並ぶよ)→徒歩20分→修学院離宮
3.色物パターン(めちゃ歩く)
叡山電鉄・一乗谷駅→狸谷不動院→一乗谷駅まで戻り、ラーメン街道へ→高野泉町(バス停)→神子ヶ渕下車→猫猫寺/以降、①と同じ
いかがだっただろうか。
なかなか目立たないお寺ではあるが、ぜひ話のネタとしてこの記事が役立つことを期待している。
猫猫寺
住所:京都市左京区八瀬近衛町520
ホームページ:https://nyannyanji22.www2.jp
※定休日あり。要確認
よろしければ、応援お願いします
神社・お寺巡りランキング
コメント